西吾妻山登山道

7月30日、デコ平湿原から裏磐梯ロープウェイ山頂駅を経て、西大巓(にしだいてん)、西吾妻山を登ってきました。
夏休みになり、裏磐梯ロープウェイの運行が始まったため、西大巓・西吾妻山に登る人がぐっと増えました。ロープウェイを利用すれば標高1390mからのスタートになりますが、急登が続くタフなコースです。
ルートについては、「西吾妻登山道」と「早稲沢・デコ平探勝路」をご覧ください。
こちらのPDFからも、ご覧いただけます。



ビジターセンターからの西大巓・西吾妻山

左側が西大巓、右側が西吾妻山。山腹にスキー場のゲレンデが見えています。

デコ平湿原入口への林道の様子


デコ平湿原入口までは、裏磐梯ロープウェイ山麓駅の手前から、吾妻山(小野川)林道を約4km(約15分)進みます。前半約2kmは、スキー場のゲレンデを上り、路面は所々荒れています。後半は、ほぼ水平な林道で、よく整備されていますが、1ヶ所、路肩が崩落して狭くなっているので、ご注意ください。


デコ平湿原入口(標高1270m)
約20台の駐車スペースがあります。簡易トイレが設置されています。

デコ平湿原(標高1300~1320m)

木道を歩きます。濡れているときは、滑りやすいのでご注意ください。



クマの足跡
木道を横切ったようす。水が乾いていないということは、超ニアミスということ…。朝と夕方のどちらもありました。
朝、ロープウェイを利用して湿原を訪れていた人たちで、クマ鈴をつけている人は0でした…。クマ対策をしっかりしてください。私は、クマ鈴を2個ぶら下げ、撃退スプレーを携帯し、数分おきにホイッスルをふきながら歩きました。

デコ平湿原の植物

コオニユリ(ユリ科)


モウセンゴケ(モウセンゴケ科)
コケといいますが、種子植物なので、花(画像の白い花)が咲きます。食虫植物です。


ナガボノワレモコウ(ナガボノシロワレモコウ)(バラ科)
花は上から下へ向かって先進みます。このような花序を「有限花序」といい、下から上に先進むものを「無限花序」といいます。

ヨツバヒヨドリとアサギマダラ


スキー場のゲレンデにはヨツバヒヨドリが群生し、たくさんのアサギマダラが飛んでいました。アサギマダラについては、ビジターセンターの「裏磐梯だより7月号」をご覧ください。

ロープウェイ山頂駅~西大巓~西吾妻山の登山道の様子

ロープウェイを利用した人は、山頂駅を出て右、ここから歩き始めます。


山頂駅から先のゲレンデの急登(標高差約200m)でしっかり汗を絞られます。
ゲレンデはブナ帯の最上部で、切り残された太いブナが所々に見られます。


ゲレンデを離れると、オオシラビソ(アオモリトドマツ)、コメツガの鬱蒼とした針葉樹の森の中を登ります。
ときどき大きなダケカンバもあります。(ゲレンデ上部から西大巓まで標高差約400m)


岩と木の根の急な登山道が続きます。赤土が靴底につき、とても滑りやすいので、ご注意ください。


西大巓山頂
(標高1982m)
南側の展望。磐梯山(中央右寄り)の左奥に猪苗代湖。磐梯山の手前右から、桧原湖、小野川湖、秋元湖。


西大巓からの西吾妻山

鞍部まで約110m下り、西吾妻山まで約170m上り返します。西大巓からの下りは、急なガレ場なので、慎重に下ってください。山頂の左側には、西吾妻小屋が見えています。


西吾妻小屋手前からの西大巓
帰路の登り返しの大変さが思われます。


西吾妻小屋手前の湿原と池塘



西吾妻山小屋
西吾妻山山頂に向かう分岐の少し先、左手奥にあります。
無人の避難小屋です。内部は比較的きれいです。トイレがあります。近くに水場はありません。


西吾妻山山頂(標高2035m)
オオシラビソの樹林に囲まれ展望はありません。山頂を示す標識があるだけの静かな山頂です。
先に進むと、吾妻神社のある天狗岩を経て、湿原を通り、西吾妻小屋まで周遊できます。

西大巓~西吾妻山の植物
西大巓と西吾妻山の鞍部、西吾妻山周辺の湿原には、下界ではもう終わってしまった花がまだまだたくさん咲いていました。

イワイチョウ(ミツガシワ科)


コバイケイソウ(ユリ科)


ミヤマリンドウ(リンドウ科)


ハクサンチドリ(ラン科)


イワオトギリ(オトギリソウ科)


ワタスゲ(カヤツリグサ科)


ツルコケモモ(ツツジ科)


ウメバチソウ(ニシキギ科)


オオシラビソ(マツ科)の球果(毬果)



吾妻連峰最高峰でありながら地味な西吾妻山と、明るく展望のある西大巓の好対照を楽しめるコースです。
ロープウェイを利用すれば、気軽に「百名山」の山頂に立てますが、そこは2000mを超える山です。急な天候の変化に備えた装備、服装で安全に登山してください。
近頃、トレッキングシューズの靴底が剥がれた…という方がビジターセンターに多くきます。もし、登山中だったら…。ぜひ、幅広のテーピングテープなどを携行してください。

◇はが◇