イエローフォール

昨日は、穏やかな日和の中、イエローフォールに行ってきました。
ビジターセンター正午の気温は+2.5℃、積雪143cmで、天気は晴れでした。

上下のレインウェア、トレッキングシューズ、スパッツを着用し、手袋、帽子、ネックウォーマー、温かい飲み物などで寒さや雪対策を十分にして行ってください。
汗をかくと汗冷えによる低体温症になることもありますので、ポリエステルやウールの肌着の着用をおすすめします。
スノーシューを履いて歩きましたが、トレース(足跡)がない場所では膝まで埋まるくらいの新雪がありました。
天候が悪化すると、降雪でトレースはなくなり視界が利かなくなります。道に迷ってしまう危険性がありますので、ガイドさんの案内で歩くことをおすすめします。

さて、イエローフォールに行くためには、裏磐梯スキー場を利用します。
金曜日~月曜日と祝日はスキー場のリフトが動いていますが、火曜日~木曜日はリフトが動いておらず
ゲレンデを自力で登ることになります。

↓ 国道459号線から裏磐梯スキー場への入口の看板

↓ スキー場駐車場よりスキー場と磐梯山を望む

↓スキー場の頂上 ここからスノーシューを履き、歩き始めます。

銅沼を経由したこのイエローフォールへのコースは、スノーシュー・山スキー等で可能な冬用のコースです。

↓ 10分ほどで銅沼(あかぬま)に到着

銅沼は凍っています。

↓ 銅沼奥の、右(西)斜面の噴煙

有毒の火山ガスも含まれているので、斜面から離れた方を歩きましょう。

↓ 銅沼から緩やかな坂を登ると大きな石がゴロゴロする台地になります。

ここからイエローフォールまでトレースがいくつかついていますが、いずれも、
ゆるやかな斜面をトラバース(水平に進む)気味に進みます。

↓ 櫛ケ峰の頂上の真下に、小さくイエローフォールが見えてきました。

↓ 間近で見たイエローフォール 今年は見事です。

↓ イエローフォールの氷のpH(ペーハー;酸性度)調べ

氷瀑の下にあった黄色い氷の破片に万能試験紙を当ててみたら、たちどころに緑の試験紙がオレンジに変わりました。pHは1、強酸性です。昨年の2月11日に検査した時はpHは2.5でした。イエローフォールの見事さは、酸性の強さに関係があるのでしょうか?

さてこのコース、イエローフォールを楽しむだけでは、もったいないです。

イエローフォールへ行く時に通る銅沼の上の台地あたりは、明治の噴火で消失した小磐梯山(推定標高1750m)の頂上のほぼ真下に当たります。現在のこの地の標高は約1100m位なので、この辺りは、小磐梯山の山頂直下約650mの火山の内部だったところなのです。

だから、ここらはぐるっと約270度の絶壁に包まれています。絶壁がなく開けているのは、桧原湖の方向90度のみです。つまり桧原湖の方向に「山が抜けた!」のです。

↓ 櫛ケ峰側の絶壁(崩壊火口壁)

↓ 大磐梯山側の絶壁(崩壊火口壁)

櫛ケ峰側は明瞭に成層火山の断面が見えるのに、大磐梯側ではそれが見えません。大磐梯側近くに
小磐梯の火口があったためと考えられます。

↓ 桧原湖方面を望む 岩なだれが落ちた方向なので崩壊壁は見えません。

さて、おだやかな日和の山歩きで、心に残ったものをいくつか紹介します。

↓ ウリハダカエデの芽

次の新たな芽吹きが、みずみずしくしっかり準備されていました。

↓ ハンノキの実とその影

↓ カバノキ科の樹皮

高原の貴婦人のごとく、優雅な色合いでした。

↓ 裏磐梯スキー場の最上部からの景色

白い湖沼群と常緑のアカマツ。130年前の火山災害のほぼ全体像です。悲惨だった状況から自然が回復した様子がうかがえます。

磐梯火山の明治の噴火の現場を訪ね、冬限定のイエローフォールを楽しむとっておきのコースです。皆さんもぜひどうぞ!

◇ターサン◇

※こちらの自然情報はPDFファイルでもご覧になれます。ダウンロードはこちら

※裏磐梯では、近年、イノシシやシカも生息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)

※スノーシューや長靴、双眼鏡、クマ鈴をレンタルしています。料金等の詳細はお問い合わせください。