レンゲ沼・中瀬沼探勝路、曽原湖畔探勝路
今日6月10日は、ビジターセンター正午の気温19.5℃、くもりの天気の中、レンゲ沼探勝路、中瀬沼探勝路、曽原湖畔探勝路を歩いてきました。
起点となるのは、裏磐梯サイトステーションです。歩き始めは天気もよく、エゾハルゼミの大合唱のさわやかな空気のなかスタートしました。
↓ レンゲ沼と磐梯山
この季節、多くの花が咲きこぼれています。
↓ ズミ(右)とタニウツギ(左)
↓ ケナシヤブデマリ
↓ タニウツギ ウツギとは空木のことで、幹が空洞だからです。
↓ レンゲツツジ
レンゲツツジのオレンジ色やタニウツギのピンク色が新緑に映える6月上旬は、
裏磐梯のとても美しい季節です。
↓ オオヤマザクラの実
5月上旬に美しい花を咲かせた桜は、今は実をつけていました。ツキノワグマの好物ですが、食べれるようになるのはまだちょっと先のようです。同じくクマの好物の桑の実も、まだ赤い色で熟していません。
さてこの季節、裏磐梯には多くのヤナギの種子の綿毛がゆらゆら空を舞っていますが、それがこれです。(↓)
裏磐梯には、実に多くの植物、そして動物が生活しています。特に水辺が多いため、幼生が水中生活する
トンボ類や両生類の宝庫です。植物ではハンノキ、ヤナギ類が特に多いです。
↓ ニホンカワトンボ
↓ レンゲ沼近くの小さな沼には、多くの魚が見られました。
多くの種類の動植物が生活しているのは、湖沼、水辺、湿地、草原、森・・・と、生物環境が多様だからで、
これが裏磐梯の自然の特徴です。
そしてこの多様な生物環境をつくったのが、明治の磐梯山の火山活動です。(↓)
中瀬沼の展望台(東屋)から、それが良くわかります。
中瀬沼からの水が流れる水路近くの探勝路わきに、流れ山地形の断面が見えるところがあります。安山岩の溶岩ばかりでした。小磐梯山が山体崩壊を起こし、岩なだれとなってここまで押し寄せ、運ばれてきたのです。(↓)
中瀬沼からレンゲ沼にまた戻り、磐梯山がつくった裏磐梯の原風景を改めて眺めます。(↓)
さて次に車道を少し北に進み、南西部から曽原湖を一周します。
↓ 入口には「曽原湖ランニングコース」と書かれてあります。
探勝路は、曽原湖の西半分は舗装されたトレッキングコースで、林の中に続きます。
林に入ってすぐ、マムシグサが一本ありました。動物的な気配を感じる植物で、いきなり出会うと、
ちょっとギョッとします。(↓)
その後、道は静かな林の中に続きます。(↓)
裏磐梯にある23のトレッキングコースのうち、最も「哲学の道」という雰囲気がします。リルケの詩など
浮かんできそうです。
↓ 頭上を見上げるとトチノキの葉が重なっています。
↓ こちらは似ているホオノキです。
曽原湖の北側まで進むと、探勝路という雰囲気の道は終わり、湖の東側半分は車道を歩くようになります。
↓ 湖の南側からは、ここの名物のハンノキの島が望まれます。
まもなく曽原湖を一周し、探勝路は終わりとなります。
今日のコースは、裏磐梯の自然を代表するようなところで、しかもほぼ平坦で歩きやすいです。また曽原湖の西側はとても雰囲気の良い静かなところです。
皆さんもぜひ歩いてみてください。
歩きやすいとは言っても裏磐梯の天気はやや変わりやすいので、雨具などの準備と帽子、クマ鈴の着用は必要です。また水分補給等にも心して、楽しい安全なトレッキングにしましょう。
◇ターサン◇
※こちらの自然情報はPDFファイルでもご覧になれます。
ダウンロードはレンゲ・中瀬沼探勝路はこちら 曽原湖畔探勝路はこちらから
※裏磐梯では、近年クマだけでなく、イノシシも生息し始めました。
十分注意しましょう。 どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。
(電話:0241-32-2850)
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