2016年5月13日五色沼自然探勝路
天気快晴で若葉の清々しい5月13日、パークボランティアの皆さんと五色沼自然探勝路を歩いてきました。正午のビジターセンター周辺の外気温は19.8℃と文句なしにいい日和に恵まれました。
ただこの記事を読んで、それでは歩いてみようか、とお考えの方、このところの目まぐるしく変わる天候に対応できるよう、トレッキングシューズか長靴、レインスーツ、防寒着、水筒等の装備は忘れずに持参しましょう。
またこの時期、クマの出没情報がかなり寄せられています。クマ鈴などでこちらの存在を前もって知らせ、突然の遭遇を避けるよう配慮ください。クマの方も春を迎えた喜びとおいしい山菜の食事に夢中のようですから。
まず、探勝路の様子ですが、好天のため水たまりはほとんどなく歩きやすかったです。
ゴミ拾いも兼ね歩きました。おおむねゴミは少なかったですが、時々、たばこの吸い殻や飴の包みがあります。何か変わった色のものが見えると、「今度はどんな花が待ち受けているのだろう?!」と、期待して近づくとゴミ。がっかり・・・。こんな悲しい思い、なしの五色沼にしたいですね。
今の林床には、スプリング・エフェメラル(春の妖精)とも呼ばれる小さな花たちがたくさんひそやかに咲いているのです。
たとえば、フデリンドウ。(↓)
次に多くのスミレ(タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ツボスミレなど)。待ち遠しいベニバナイチヤクソウはまだ蕾。じっくりと時間をかけて咲くようです。(↓)
樹木の花もいろいろ見られます。こちらはミツバアケビの花。花弁がふつう3枚のところ、4枚や5枚のものもありました!甘いアケビが実るのは約4か月先の9月下旬、そのころのための準備なのですね。(↓)
こちらは、よくゼンマイと間違えられるオシダの群落。すくすく伸びてまるで恐竜の時代の森の景色のようです。(↓)
さてこの季節、このコースを歩いての一番の楽しみは、五色沼湖沼群のそれぞれのたたずまいです。柳沼から入って青白色の沼で最初に現れるのが青沼です。その美しさにドキッとします。(↓)
次の瑠璃沼(るりぬま)は、毘沙門沼と同様に探勝路の南側にあるので逆光となることが多い沼です。さらに水面が目線に近いので水中の水の色が全反射するため磐梯山と森を写す鏡となってしまい、本来の沼水の色が分かりにくくなっています。航空写真からは、色の濃い青白色の沼でひときわ美しいのが分かります。
さて、弁天沼が林の中から見えてきました。心躍る、沖縄ブルーのような色です。
弁天沼は、女性の神様、弁天様(弁財天)の名を借りているだけあって、とても優美で美しく、この探勝路の白眉と言えるでしょう。(↓)
竜沼、深泥沼を過ぎると次は赤沼です。(↓) 鉄さびの赤い色の縁取りがくっきりです。
こうした森の中から次々現れる湖沼群の美しさは、あまたある日本の絶景の中でも、ひときわ輝かしいものではないでしょうか。皆さん、ぜひ五色沼自然探勝路をじっくりと歩いてください!
あと、写真では紹介できませんでしたが、こうした湖沼群探勝の傍ら、多くの野鳥たちのさえずりが聞こえます。キビタキ、クロツグミ、ツツドリ、ヤブサメ、ミソサザイ、カイツブリ、カルガモ、エナガ、アオジ、ノジコ、ウグイス・・・と、多様な生息環境を反映して、水鳥から森の鳥まできわめて多種多様な野鳥に出会えます。日本三大野鳥生息地の中でも、裏磐梯地区は、種類の多さでは群を抜いています。こちらもぜひ楽しみに来てください。
◇ターサン◇
※こちらの自然情報は、PDFファイルでもご覧になれます。ダウンロードはこちら。
※裏磐梯はツキノワグマの棲息域です。散策の際には、クマ鈴などでクマに人間の存在を知らせてあげてください。
また、近年、イノシシも裏磐梯に棲息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、ビジターセンターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)