2017年2月11日イエローフォール

今日はイエローフォールに行ってきました。
正午の気温はー3.3℃、積雪148cmでした。(共にビジターセンターでの値)

ほとんどの時間で雪が降っており正午でも氷点下の気温でしたが、寒さや雪対策をしっかりと行ったため寒さを感じませんでした。
上下のレインウェアやトレッキングシューズ、スパッツを着用し、手袋、帽子、ネックウォーマー、温かい飲み物などで寒さや雪対策を行ってください。
汗をかくと汗冷えによる低体温症になることもありますので、ポリエステルやウールの肌着の着用をおすすめします。
スノーシューを履いて歩きましたが、トレース(足跡)がない場所では膝まで埋まるくらいの新雪がありました。
雪が降りますとトレースはなくなり、道が分からずに迷ってしまう危険性がありますので、ガイドさんの案内で歩くことを強くおすすめします。

さて、イエローフォールに行くためには、裏磐梯スキー場を利用します。
金曜日~月曜日はスキー場のリフトが動いていますが、火曜日~木曜日はリフトが動いておらずゲレンデを自力で登ることになります。
風などでリフトが動かない日もありますので、事前に確認されてください。
リフトを2本乗り継いでからスノーシューを履き、歩くことになります。

↓降り立った場所。天気が良ければ、磐梯山の爆裂火口壁がよく見えます。
20170211イエローフォール (10)

↓右手側には磐梯山ジオパークの看板があり、噴火のことが書かれてあります。
20170211イエローフォール (6)

スキー場から銅沼までは、夏の登山道を歩きました。
ダケカンバ、アカマツ、キブシ、ヤマブドウ、ハンノキ類などが目立ちます。

↓様々な木が立ち並ぶ森の中を歩きます。
20170211イエローフォール (16)

↓雪に埋もれているキブシ
20170211イエローフォール (18)

しばらく歩くと、銅沼に着きます。
銅沼はこの時期は凍っているためその上を渡ることができますが、慎重に歩きましょう。
ストックを差して安全を確認しながら歩くと良いでしょう。
銅沼を渡りきったあたりからは、噴気を右に見ながら歩くことになります。
この噴気には亜硫酸ガスなども含まれ危険ですので、不用意に近づかないようにしましょう。

↓銅沼
20170211イエローフォール (33)

↓噴気(写真真ん中上のほう)
20170211イエローフォール (60)

このあたりで雪や風が一旦おさまり、青空が見えてくるほどでした。
正面にも立派な爆裂火口壁が見えました。

↓爆裂火口壁(櫛ケ峰から左方向に成層火山の断面が見える)
20170211イエローフォール (74)

銅沼を過ぎ、少し登って大きな石がゴロゴロしているあたりの台地は、各種資料から、今はなき小磐梯山(推定標高約1750m;明治の噴火の山体崩壊により消失)の頂上の真下だったと考えられます。

このあたりの標高は約1150mですので、ここから頭上約600m(スカイツリーの高さとほぼ同じ)の高さに小磐梯山がそびえていたのです。イエローフォールに直行する前に、立ち止まって噴火で現れた270度にも及ぶ壮絶な崩壊壁をぐるりと見回し、空を見上げてください。(↓)

20170211イエローフォール (92)

↓ まもなくイエローフォールが見えてきました。

20170211イエローフォール (116)

↓ 冷え込みの程度、積雪量、酸性水の湧出量などによりイエローフォールの 状況は毎年違います。ちなみに黄色い氷に万能試験紙をつけてみたら、pHは2~3とやはり強酸性でした。

20170211イエローフォール (123)

磐梯火山の明治の噴火の現場の真っ只中を、冬に訪ねることで初めて見られるイエローフォールです。皆さんもぜひどうぞ!

◇ターサン&ろっぴ◇

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※裏磐梯では、近年、イノシシやサルも生息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)

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