浄土平で外来生物防除活動を行いました

2025年6月24日

裏磐梯から車で約1時間!「磐梯吾妻スカイライン」の中間地点にある浄土平に先日行ってきました。

目的はこちらの植物です!

この植物はコウリンタンポポというオレンジ色のお花を咲かせる植物で、お花はきれいなのですが放っておくと在来の植物を駆逐し、一面をオレンジ色のお花畑に変えてしまうほどの強い繁殖力をもった植物です。


2023年6月25日 裏磐梯スキー場のコウリンタンポポ

浄土平は裏磐梯と同じく、磐梯朝日国立公園の中にあります。貴重な高山植物が多く生育している場所であり、外来の植物からの影響は大きな脅威となります。

そこで環境省・国立公園裏磐梯地区パークボランティアの皆さんと外来植物の抜き取りを行いました。

活動中の目印の旗
裏磐梯での活動中も掲げています。旗の近くの茂みの中で活動していますので、野生動物とお間違えの無いように



抜き取ったコウリンタンポポ(上)とオオハンゴンソウ(下)

活動は朝9:00から開始!2チームに分かれコウリンタンポポと別の外来植物であるオオハンゴンソウの抜き取りをしました。
途中、小雨に降られたり、雨が上がると虫にたかられたりと大変でしたが、めげずにもくもくと作業を行います。

午前中だけでコウリンタンポポは1袋、オオハンゴンソウは4袋の収穫がありました。

浄土平の様子

浄土平は磐梯吾妻スカイラインの中腹、標高1,600m地点にあります。
広い駐車場のすぐわきに木道が整備された湿原があり、様々な植物が群生しています。
レストハウスやビジターセンターもあり、一切経山や東吾妻山、吾妻小富士などのコースを歩く際の拠点となる場所です。

活動が終了後、吾妻小富士のコースを歩いてみました

吾妻小富士の上から火口を見下ろす


山頂付近から福島市の方面
雲海に覆われ幻想的でした。


浄土平
奥の大穴火口からは活火山らしく、噴気がでています。
浄土平に限らずですが、最新の火山情報は必ずチェックしましょう。

植物の様子


イワカガミ(イワウメ科)


ミヤマオダマキ(キンポウゲ科)


マルバシモツケ(バラ科)



ワタスゲ(カヤツリグサ科)

巨大な群落をつくっていました。

湿原はワタスゲをはじめとする高山植物に覆われ、見事でした。
この光景がいつまでも続くよう、頑張っていきたいですね!

みなさんも、外来種の拡散にはお気を付けください!
わざとではなくても例えば、
・靴についた泥で種が運ばれる
・荷物や車に紛れ込んで移動する
・ウェーダーや長靴についた植物片が再生する
などなど考えられますので、自然を楽しまれる際はできるだけ外来生物にも気を配っていただけますと幸いです。

また、近年では海外からやってきた外来生物だけでなく、国内で人の手による生き物の移動や(国内外来種)、品種改良された生き物の放出(第三の外来種)も問題となっています。

素晴らしい自然の景観を将来にわたって保全し、100年後200年後の人々も同じ景観を楽しめるよう、できることから協力していきたいところです。

◇自然解説員 なかじま◇

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