イエローフォール

今日は、イエローフォールにスノーシューでトレッキングしてきました。

ビジターセンター正午の天気は雪、気温2.1℃、積雪123cmという日でした。

スタート地点の裏磐梯スキー場午前10時の天候は、風弱く曇と穏やかでした。裏磐梯スキー場は金・土・日・月曜は営業しているのでリフトを利用してスキー場の頂上から歩きだしました。(↓)

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ジオパークの看板が上の写真のように埋もれていました。ここの積雪は1.5mはありそうです。すぐ平坦な林の中を歩きますが、ハンノキの実と芽が下の写真のようになっていました。生命力を感じます。(↓)

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ここ数日の暖かさで雪が締まり、そこにうっすら3~4cmの雪が朝降りましたので、動物の足跡をトラッキングするにはもってこいの好条件で、ウサギ、キツネ、タヌキなど多くの足跡がありました。(↓:これはノウサギ)

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15分も歩くと、銅沼(あかぬま)です。(↓)

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銅沼の雪氷の状況ですが、スノーシューだとほとんどぬからず(写真左)、スノーシューを外して「つぼ足」だと15cm位ぬかり(沈み)ます(写真右)。さらにつぼ足で何度か踏みつけると40cm位までぬかり、足跡には水が染みあがってきます。(写真中)(↓)

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まだしばらくは氷上を歩けるようですが、暖かくなったらストック等で確かめ、無理はしないようにしましょう。

沼の右前方の斜面から立ち上っているのは、火山の噴気です。有毒ガスも一部含まれるので、風向きをよく見て、あまり近づかないようにしてください。(↓)

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銅沼を過ぎ、左にゆるくカーブしながら登ると、大岩のごろごろする台地になります。このあたりは、今はなき小磐梯山の頂上直下だったのです。イエローフォールも近くなりますが、このあたりの周りの絶景をまず楽しんでください。(↓)

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このあたりから南に聳える天狗岩方面を見ると、まるで谷川岳の一ノ倉沢のような凄惨な岩壁が見えます。(↓)

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そして、左(東)に顔を向けると、櫛ケ峰から続く大岩壁。成層火山のはらわた(断面)を見せているという、磐梯山きっての名所です。(↓)

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櫛ケ峰の方向に斜面をトラバースすると(横切ると)、いよいよイエローフォールが近づきます。(↓)

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こちらは、近づいた様子です。(↓)

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イエロー味はだいぶ薄れていました。毎年、冷え込み、積雪量、酸性水の沁み出す量等の違いにより、色や形が違います。一昨年は見事なイエローフォールとなりました。自然の造形ですから毎年違うのです。

さて、氷の表面を手で溶かして万能試験薬でpHを調べました。みかんのような色で、3.5と読みました。2月11日に同様に調べたら2.5でしたので酸性度が弱まっていました。(↓)

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さて、イエローフォールについた11時前後から、急に濃い霧が出て、風が強まり、雪も激しく降ってきました。いわゆるホワイトアウトです。道を迷わずに下山します。大石の台地までは、右手が下がった斜面をほぼ水平に横切っていきます。大石大地からは一見スキー場のゲレンデのような雪の斜面を下ります。ひたすら水のように低い所、低いところを目指すと、銅沼にたどりつきます。(↓)

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銅沼からはほぼ平坦です。タイヤのように丸まったダケカンバの薄い樹皮が、風に吹かれどこまでも、どこまでも廻りながら横切っていきます。(↓)

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さて、ゴールのスキー場リフトのところまでは、もう一つ、細長い無名沼の雪原があり、そこが終わるとゴールです。(↓)

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結局、この季節らしい天候でしたが、イエローフォールの他に、豪快な爆裂火口壁を楽しむことができました。またスノーシューを履けば縦横無尽に火口内を歩けます。本日午前は私を含め5グループ12名がこのコースを歩きました。風が強くなると、先行者のトレイルや自分の行きのトレイルは、帰りには全く見えなくなります。地形の特徴を頭にいれ、また方位磁石を持ってルートファインディングする必要もあります。それもまた、こうしたフィールドを歩く楽しみと言えます。初めての方や不安を感じる方は、地元のガイドさんと歩くことを強くお勧めします。

さて、充実したトレッキングをすることができましたが、これも、防風・防寒・防水に配慮した服装(内側からの汗・蒸れ対策も)や装備があってのことです。スノーシューやストックの他に、アウターにレインウエア上下、ロングスパッツ、帽子、手袋には十分留意ください。あと、行動食や温かい飲み物の他に、地図やコンパスなども必携品でしょう。

◇ターサン◇

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※裏磐梯では、近年、イノシシやサルも生息し始めました。十分注意しましょう。 どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)

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